『行けるところまで行き、死ぬべきところで死ね』
ふと気が付いた途端、周囲の喧騒が耳をつんざいた。私は気絶していたらしい。いったいどうして、などと自分の状況も把握できないほどバカではない。今は、イレーネ城がレジスタンスに攻め入られている真っ最中だ。私は、南の門からのレジスタンスらの侵入を防…
Une femme rose(無印)
問い、正義とはなんであるか
※後半の少しだけR軸。 一度目の引き金を引いた。その時は手が震えた。二度目の引き金を引いた。物が壊れ、ガラスが割れた。三度目の引き金を引いた。──人が、死んだ。 「ちょっと、何ボケっとしてんのよアンタ」「あぃ…
Une femme rose(無印)
誇りあるアメリカ民兵へ
狙撃手は自分の居場所を知られてはならない。自分の場所を知られたが最後、自分の命もそうだが仲間の命も危うくなる。狙撃手が狙いを外した場合、その射撃によって威嚇されたと受け取った敵は勢いと攻撃をより強める。そしてその勢いと増した攻撃を受けるのは…
Une femme rose(無印)
いつでも前を向いている
私の体には傷がある。それはある意味当たり前のことだった。今の私は世界帝軍に属する者だ。例え階級が低かろうとも、軍人である以上、戦場に赴く以上、大なり小なり傷を負うことはあるのだ。私の記憶には傷がある。子供の頃、おそらくは当時十歳くらいであっ…
Une femme rose(無印)
Intelligence Mission
全盲だが天才的なピアノの腕を持つ青年と、その全盲ピアニストを献身的にサポートする婚約者。そんな設定の下で会場へと入るも、さすが上流の人間はドラマチックなことをすぐに信じてくれる。ミカエルと腕を組んで、グラスを片手に上流貴族へ偽名を名乗り、貼…
Une femme rose(無印)
天使たちの潜入
指定のポイントまでは手配された車で移動した。そこからは少しだけ歩くことになる。 「車で移動できないとは、非常に困るね」「大した距離じゃないから我慢してね」 私たちの降りた車が移動していった途端にミカエルは文句を垂れた。文…
Une femme rose(無印)
たくさんの中の一人
呼び出しを受けたと思ったら、一枚の紙を渡された。 「中尉、急で悪いが、今夜諜報に出てもらえるかい」「はい。……それは構いませんが、急ですね」 軍に援助をしている者らが、レジスタンスに情報を流しているという話があったらしい…
Une femme rose(無印)
Who are you?
(※DOUBLE FACEイベントネタ) ガスマスクを着けたままでいるのはあまり好きではないけれど、この場所ではしょうがない。新兵器の開発基地では、良くも悪くも何があるかわからない。直接の関わりが薄い者たちに顔を見せる必要もないだ…
Une femme rose(無印)
兵士の休日
「いいとこの奴っぽいけど、痛い目に遭いたくなかったら金目の物置いてけよ」 路地裏で五人の男に囲まれ、そんな安っぽいセリフを吐かれた。ここも、綺麗な街並みに似合わずあまり治安が良くないらしい。取り締まりの対象に入れておこう。目の前の…
Une femme rose(無印)
その邂逅
引き金を引く。弾が連射されるが、相手も馬鹿ではない。物陰に隠れてかわしていく。弾がなくなった。太腿に装着しているベルトに手を伸ばし、弾倉を一瞬で取り替える。相手からの発砲を廃墟の壁に隠れてやり過ごす。周囲を見れば、引き連れていた隊の一般兵が…
Une femme rose(無印)
私が「今」ではなかった頃
「少尉」 呼ばれて振り向けば一般兵がいた。一般兵は個別番号にて管理されるので名前は知らないが、彼の腕についている番号は私がいる部隊の、さらに下部部隊の番号だ。私が直接率いているわけではないけれど、言ってしまえばつまり直属の部下にあ…
Une femme rose(無印)