シャルルヴィル(無印)

花びらのいたずら

基地で桜が咲いた。まさか基地の周辺に桜の木があるとは思っていなかった。でも以前から、クニトモが「これってもしかして、桜の木やん? ええなぁ」と言っていたから、私も桜の木であることは知っていた。咲くのを楽しみにはしていたけれど、本当に咲くのか…

ノンファンタジー

マスター、と呼ばれて顔を上げると、シャルルはそっと額に口づけてきた。そのまま目元、頬、口元と下がっていき、ついに柔らかく唇同士が触れ合った。目を閉じて静かにそれを受け入れる。せめてもの応えに、シャルルの背中に腕を回す。少しでも、伝わるように…

眠りと彼女

まだやらなくてはいけないことがあったのに、気づけば私はベッドに入っていた。もう寝ないとだめだよ、夜更かしは体によくないし、と繰り返し言ってくるシャルルにうまいこと言いくるめられたのだ。腑に落ちないままベッドに入った私は少し不機嫌そうな顔をし…

愛しの呼びかけ

食堂に誰かが入ってきた音がした。反射的にそちらを見ると、誰かの正体はシャルルだったらしい。私に気が付いたシャルルはぱっと笑って近づいてくる。 「Bonjour.」 華麗に決めてくれた挨拶はフランス語だ。フランス語はわから…

幸せになるべき君へ

※公式準拠のラスト。  ランタンから溢れる明かりを消すことができないでいた。ベッドに潜り込みながらも、寝付くことができないでいた。本当は、早く休んで少しでも備えておかなくてはならないのに。 何度目かわからない寝返りを打っ…

ちょっとそこまでいかがですか

『マスター、俺とデートしない?』 なんちゃって、と続けて冗談めかしたこともあった。しかし本気で誘いをかけたことも、もはや両の手では足りないくらいあった。 『あー、ごめんね。ちょっと行けないかな』 しかし冗談交じ…

明るい未来の話をしよう

※公式に沿わない設定。  世界帝軍との戦いが終結し、世界は本来の平和を取り戻しつつあった。しかしシャルルヴィルはそれを手放しで喜ぶことができないでいた。 「マスター、聞いた? 戦いが終わってから、君って〝聖女〟…

君が生きている音

人の体は温かい。人の体は生きている。銃であったときの自分は体温などというものはなく、生きているなどという表現もしなかった。 「シャルル?」「ん……。ごめん、なんでもないよ」 彼女の首元にすり寄るように頬を寄せた。抱きしめ…

Sweet Sweet

私とシャルルは恋人になる前から仲が良かった。シャルルの朗らかな性格はとても居心地がよく、単純にフィーリングが合っていたのかもしれない。彼はレジスタンスの仲間たちとも性別問わず仲がいい。みんなに優しいひとだなと思う。もちろん私に対してもそうだ…

俺のかわいい人

『かわいい』『あ、マスター、今日もかわいいね!』『マスターがかわいくて、俺ってば毎日幸せだよ』 シャルルは一日に一回以上は私に「かわいい」と言ってくれる。いや、一回以上どころか三回は言っている気がする。数えていないので確定ではない…

今日は約束の日

※公式準拠ではないねつ造あり。 依頼人は若い青年だった。それに関して特に思うことはない。しかし依頼されたとき、青年は不思議な依頼をした。 『彼女には、白いドレスを着せたいんです』 不思議に思ったものの、こちらは…

願わくば共にある未来

※公式に沿っていないねつ造あり。 ちょっと時間もらえるかな。シャルルにそう言われたのは、ちょうど恭遠さんとの話が終わった後だった。 「恭遠さんは、なんて?」「これからの活動は各国の復興作業になるって。レジスタンスのメンバ…