局限歩廊

花舞い道中

グラシデアの花畑でシェイミを見送り、ムゲンとはそこで別れた。通報をいれ、ジュンサーたちがここへ到着したのち、ムゲンは責任持ってゼロを慰問するという。惜しみながらも花畑を離れたあと、サトシたちと共に外れにある村に訪れていた。船で氷河の海を下る…

氷空の花束

サトシとは、ギラティナの頭に乗った状態で反転世界を飛んだ。破壊された氷河の柱へ向かうと、ギラティナの体からはオーロラのような光が放たれる。そのまま柱の周囲を回転しながら上昇すると、驚くことに柱が再生されていった。 「柱が……!」&…

始まる終息

ひとまずゼロのメカを探さなくてはと周囲に目を向けるとすぐに、高速で移動するそれを見つけた。ギラティナもそれに気づいて向かう途中、ゼロのメカは周囲にある白い柱をいくつも破壊していた。あの透明な泡ほどではないにしろ、反転世界で物を壊せばそれは現…

復活と開戦

コイルたちの応戦をさせていたポケモンたちを慌ててボールへ戻す。自らが飛べるトゲチックはすぐに母艦から離れ始めたので安堵する。ウインディのみボールへ戻し、先ほどのようにムクホークの背へ飛び乗ると彼はすぐさま飛び立つ。ムゲンとサトシ、ヒカリも再…

目的と阻止

巨大な母艦に捕らえられ、ギラティナの苦しそうな呻き声が響く。白んできた夜明けの空の美しさに、それはとても不釣り合いだった。 「あれは……俺が設計したんだ」 ムゲンの言葉には素直に驚いた。 「ギラティナの能力を、…

再度の対面

「サトシ、!」「ムゲンさん!」「ムゲンさん……?」「昼間助けてくれた人だよ」 ヒカリとタケシに教えながらムゲンのところへ走っていけば、視界が180度変わり、逆さまに見えていたムゲンも通常通りになる。重力、もしくはこの世界の空間の関…

近づくは陰

到着した駅でレイラたちと別れ、船へ乗りかえた。船が進むこの谷間の海は、何万年も前から山を覆う氷河が生み出したものだという。 「俺たちがこれから行く花畑の奥にも氷河があるな」 タケシの開くマップを横から覗き込む。海上では、…

変化と迎撃

『ギラティナが浮上してきます』「ディアルガが近くにいるのか?」『いいえ、レーダー圏外です』 画面を前に、女性の機械音声と青年の声が響く。 「ギラティナが浮上しようとしたポイントをズームしろ」『はい』 地形図が示…

破れた世界

落下しているはずなのに、その勢いはまったく強くはない。ふわふわとして体が思い通りにいかない感覚は、水中でのそれと似ている。 「うわっ……と」 なんとか降り立った場所でも、体の重心が不安定になる。 「サトシ……っ…

向かう決定

ジョーイとラッキーにシェイミを預け、治療室の隣の部屋からガラス越しに様子を見守る。 「ジョーイさん、シェイミは……」「シェイミっていうのか? あのポケモン」 サトシたちはシェイミというポケモンそのものを知らなかったようだ…

友だち二人

前略お久しぶりです。変わりなくお元気でしょうか?ついこの間、カントーから戻ってきました。できるだけ早めにそっちに顔を出したいと思います。ひとまず、わたしもポケモンたちも変わらず元気です。ご心配なく。それでは、また近々。草々 &nb…

開幕と攻防

うっそうと生い茂る木々のせいで、森の中は少し薄暗かった。近くの街へ向かう途中、どこかで少し休憩を挟みたいものだが、開けた場所にはなかなか出ない。時々現れるミツハニーなどの虫ポケモンもいるが、皆少しだけを見やりそのまま通り過ぎていく。こちらが…