ラプソディ・ウィズ・ブルー

比較的ロンド

初めてフロアで接客をした翌日から、私はそちらへ回されることが多くなった。三つ子曰く「適材適所」とのことだった。たしかに厨房での作業に比べれば、大きなミスはしていない。以前よりはスムーズに仕事をしている。 以前とは少し変わったことが…

困惑的アンプロンプチュ

「すみませーん、注文お願いしまーす」「は、はい。ただ今!」 女性三人組のテーブルから声がかかった。ポッドくんと目が合うと、笑って頷いてくれたので私がそのテーブルへ向かう。笑顔、笑顔……大丈夫、できるよ。自分に言い聞かせながら、注文…

悲観的ヴァリエーション

「あなたの国では生クリームはしょっぱいんですか、そうですか」「ごめんなさい……!」 国というか土地というか、生まれも育ちもコーンくんと同じイッシュ地方です。そんなことは思っても決して口に出せる雰囲気ではない。私を見据えるコーンくん…

壊滅的エチュード

ただの貧乏どころか多額の借金を抱えることになった私は、迷惑をかけてしまったサンヨウジム兼レストランで働くことになった。当然ながらタダ働きだ。働きに相当するお給料分を、借金の金額から引いていく形となる。こういう時は、ポケモントレーナーなら無料…

受動的エレジー

「とりあえず、これ飲めよ」「ありがとうございます……」 赤い髪のウェイターさんを加えて、彼らは三人で戻ってきた。赤い髪の彼から渡された器を受け取ると、スープのいい香りが鼻をついた。透明なコンソメスープには細かく刻まれた玉ねぎが入っ…

突発的プレリュード

その日もサンヨウレストランはいつも通りに繁盛していた。料理やスイーツがおいしいという、レストランにあるべき第一の理由はもちろんのこと、そのレストランを切り盛りする三つ子の兄弟の存在そのものも繁盛理由のひとつであった。ついでに、その三つ子がい…

イントロダクション

コーン兼サンヨウ三つ子との話。設定や世界観はゲームとアニメが混ざっています。アニメに基づいた設定等も入るので、アニメはよくわからない方はご注意。三つ子の口調はアニメベースです。コーンの一人称は基本的に「コーン」ですが、アニメにて「僕」も使用…